【カフェインと労働】経営者・衛生管理者は必見!交通事故や交代勤務へのカフェインの有効性をご紹介!

アドホック
こんにちは。ドクターアドホックです。
ヘルシー
アシスタントのヘルシーです。
毎日遅くまでお勤めご苦労様です!
アドホック
今月は残業続きで、さすがに心身ともに疲弊してしまいました…
時間外労働が社会問題になっています。まずはその現状を理解するところから始めましょう!

働き方改革と労働災害

昨今は日本人の働き方に関する課題が浮き彫りになり、厚生労働省が「働き方改革」を提唱するようになりました。その中で残業時間についても見直され、労働基準法の大改訂が行われました。

引用:厚生労働省ホームページ「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」

ヘルシー
残業時間は1日2時間までが原則なのですね!
アドホック
ただ無理に就業時間を減らそうとしても全体の業務量が変わらないと、時間あたりの労働量が増えてしまいます。業務の効率化や生産性を高めるよう要求されてしまい、結果としてストレスを抱えてしまうこともあります。
ヘルシー
他には時間外手当が減ってしまって、金銭的に困る方もいらっしゃいますよね。
まだまだ課題はありますが、国も本格的に動き出してくれています。
皆さんが心身の健康を保ちながら安心して働ける職場が、今後ますます増えることに期待しましょう!
ヘルシー
働く人にとって、職場で過ごす時間がほとんどで、まさに生活空間の一部ですものね!就労条件や職場環境、職場での過ごし方は本当に大事ですよね!
さらにこの残業時間や就労環境の話題になると、よく問題されるのが職場での事故です。

引用:厚生労働省ホームページ「労働災害発生状況」

アドホック
今回はその中でも、2番目に多い「交通事故」に注目して、発生件数を減らすためのお役立ち情報をご紹介します。
ヘルシー
はじめてこのブログを読まれる方にご案内があります。
オススメの記事の読み方をご紹介しています。
記事の理解を助けてくれると思いますので、
未読の方はぜひご覧になってみて下さい!

この記事について
労働災害の中で頻度の多い「交通事故」について、カフェイン積極的な摂取がその予防に有効なストラテジーとなるかもしれません。長距離トラック運転手の交通事故とカフェインの使用の関連について報告した論文をご紹介します。

コーヒーなどのカフェイン飲料が長距離運転手の事故を減らす!?

アドホック

突然ですが、皆さんはお仕事中に何を飲まれていますか?

レイジー
仕事のストレスが多いから、甘いジュースが欠かせない!

仕事とストレスは切っても切り離せないですよね。

ストレス緩和するために、糖質をたくさん含んだ清涼飲料水に手を出してしまう気持ちはよく分かります。

ただ残念ながら、そのストレス軽減効果は一時的なものです。

そしてそのような習慣をいつまでも続けていると…

糖尿病や高血圧などの生活習慣病になるリスクが大きく高まってしまいますね。

ヘルシー
ストレスを減らして、おまけに業務中の事故のリスクも減らす、そんな都合のいい飲み物があったら仕事の良き相棒になりますよね。
アドホック

コーヒーにはその可能性が大いに秘められていますよ!

結果のご紹介 「研究の概要」

To determine whether there is an association between use of substances that contain caffeine and the risk of crash in long distance commercial vehicle drivers.

引用:Sharwood LN, Elkington J, Meuleners L, Ivers R, Boufous S, Stevenson M. Use of caffeinated substances and risk of crashes in long distance drivers of commercial vehicles: case-control study. BMJ. 2013;346:f1140.

「カフェイン含有物の使用と商品輸送車の長距離運転手の交通事故と間に関連があるのかどうかを明らかにするため」に行われた研究です。オーストラリアからの報告です。

530 long distance drivers of commercial vehicles who were recently involved in a crash attended by police (cases) and 517 control drivers who had not had a crash while driving a commercial vehicle in the past 12 months.

引用:Sharwood LN, Elkington J, Meuleners L, Ivers R, Boufous S, Stevenson M. Use of caffeinated substances and risk of crashes in long distance drivers of commercial vehicles: case-control study. BMJ. 2013;346:f1140.

「交通事故に巻き込まれ警察に出頭した530人の商品輸送車の長距離運転手と、517人の直近12ヶ月で事故を起こしていない商品輸送車の長距離運転手」が研究対象者になりました。

合計で1047人の方の解析データになります。

ヘルシー
カフェインの摂取について、どのように調査したのですか?
アドホック

運転手の方にインタビューをすることで情報収集しています。
具体的には、「運転中の眠気覚ましのために、カフェインを、どのような物から、どれくらいの量および頻度で摂取しましたか?」と質問しています。

最初に結論を確認しましょう!

Caffeinated substances are associated with a reduced risk of crashing for long distance commercial motor vehicle drivers. While comprehensive mandated strategies for fatigue management remain a priority, the use of caffeinated substances could be a useful adjunct strategy in the maintenance of alertness while driving.

引用:Sharwood LN, Elkington J, Meuleners L, Ivers R, Boufous S, Stevenson M. Use of caffeinated substances and risk of crashes in long distance drivers of commercial vehicles: case-control study. BMJ. 2013;346:f1140.

「カフェインは商品輸送車の長距離運転手の交通事故のリスク低下と関連していた。包括的に義務付けられた疲労に対するマネージメント戦略が優先であるものの、カフェインの使用は、運転中の注意力を維持する上で、有用な付加的な戦略になりうる」とのことです。

アドホック

少しわかりにくい和訳になっってしまったかもしれません。
解析の結果、カフェインが交通事故のリスク低下と関連していたことが、明らかになりました。休息時間や十分な睡眠時間を与えることや、定期的に運動することなどの疲労に対する基本的なマネージメントを優先しつつも、運転中の注意力の維持にカフェインの有効活用を著者らは提案しています。

では研究結果を確認してみましょう!

引用:Sharwood LN, Elkington J, Meuleners L, Ivers R, Boufous S, Stevenson M. Use of caffeinated substances and risk of crashes in long distance drivers of commercial vehicles: case-control study. BMJ. 2013;346:f1140.

一緒に見ていきましょう!

上の表は、交通事故を起こしたトラック運転手と事故を起こしていない運転手は、

それぞれどのような特徴の人達があったのかをまとめたものです。

「cases」は交通事故を起こしたトラック運転手、「controls」は交通事故を起こしていないトラック運転手を表しています。

また基本的な見方として、「p値が0.05未満の項目は、統計学的に有意差があった」項目です。

ここでは「overweight(25<BMI<30)」と「exercise(運動)」に関連する項目以外は、全て有意な違いが認められました。

表には記載がありませんが、まず年齢についてです。

「事故を起こした運転手の方が、事故を起こしていない運転手より有意に年齢が低かった(平均値[標準偏差] 44.2歳[10.8] v 46.1歳[9.9]: P=0.004)」とのことでした。

続いて表を順番に確認してみます。

交通事故を起こしたトラック運転手は事故を起こしていない運転手と比較して、

肥満(obese)の人が多く、睡眠時間が少なく[Mean (SD) hours of sleep]、アルコール摂取量が多い[Means (SD) No of standard drinks consumed per occasion]という特徴がありました

反対に事故を起こしていない運転手は、過去5年間で事故を起こした人の割合が少なく(Previous crash)、

調査1週間前の総運転距離が長く[Mean (SD) km driven in past week]、眠気覚ましの使用している人の割合が多かった(Uses substance to stay awake)ということが分かりました

ヘルシー
過去5年間で事故歴がない人の方が、新規の事故を起こしにくいというのは理解できます。きっと日頃から安全運転を心がけているのだと思います。
また過去1週間の運転距離が長いというのは、トラックの運転感覚が鈍っていないという解釈でいいのでしょうか?それであれば、1週間前の総運転距離が長い人の方が、事故を起こしにくかったという結果も分かる気がします。
アドホック

そうですね。あくまで推測ですけど、その考え方は妥当だと思いますよ。他には、一般に睡眠時間の長い方が事故を起こすリスクが低くなるように思われますけど、今回は逆の結果になっていますね。ここの解釈はどうでしょうか?

ヘルシー
でも事故を起こしていない運転手の睡眠時間がより短いといっても、平均で6.76時間の睡眠時間ですよね?これなら決して睡眠不足ではないですし、むしろ標準的な睡眠時間だと思います!
アドホック

素晴らしい、ちゃんと数字からイメージを膨らませてくれました!
では先ほどの1週間前の総運転距離をもう一度見てみると、約1200kmの差がありますね。1日あたり約171kmの違い相当しますので、トラックの速度を時速100kmとすると、1日あたり約1.7時間も余分に運転していたことになりますね。少し大雑把な計算ですが、こうに考えると睡眠時間の違いを説明できるかもしれませんね。

ヘルシー
なるほど!そうに考えると、眠気覚ましの使用頻度についても、事故を起こしていない運転手の方は、事故を起こした運転手よりも運転している時間が長いため、結果として頻繁に眠気覚ましに頼る頻度が増えたのかもしれませんね!
表に表示された数値の違いについて、本当の理由は明確にならないことが多くあります。
ただ結果を見た時に、可能な限り研究の対象者となった方々のことを思い描いてみたり、
今回であればどうして差が認められた背景に何が考えられるだろうかと想像してみたり、
数字に具体的なイメージを持たせることに時間を使うことは重要だと考えます。
アドホック

今度は表の下の方に注目しましょう!ここにはカフェインの摂取量が記載されていますね。事故を起こしていない運転手で、1日400mg以上の「High group」に該当する人が多いのが分かりますね!

ヘルシー
カフェイン400mgというと、カップコーヒーで8杯ですね!
フィルターで入れたコーヒーだも5杯程度です!
これはとても多い量ですね!!
アドホック

コーヒーだけで摂取するとそのような計算になりますね。
実際には、コーヒー以外のカフェインの摂取として、紅茶やエネルギードリンク、カフェインタブレットなどが挙げられています。その合計量が図には記載されています。

ヘルシー
ただそれでも1日400mg以上は多いですよね!
安全のために「カフェイン摂取量の上限は400mg」と解説されてましたよね!

カフェインの含有量や上限量について、下の記事で解説していますのでぜひ参考にしてください。

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アドホック

事故を起こした運転手と事故を起こしていない運転手で、大きく特徴が異なることが分かりましたね。

結果のご紹介 「主要な結果」

アドホック

ではここからこの研究結果のキモをお伝えします。

結論から申し上げると、「眠気覚ましの為にコーヒーを含めたカフェインの摂取していた運転手は、カフェインを摂取してない運転手と比較して、長距離トラックの運転で交通事故を起こすリスクが約63%低い」という結果でした。

ヘルシー
63%も低いとは驚きの結果ですね!
論文中の結果も確認しておきましょう!
注目すべきは、カフェイン使用の運転手の事故の発生のオッズ比は0.37(0.27-0.50)という結果です。
これは「カフェイン使用により事故の発生リスクが0.37倍になる(リスクが63%低下する)」という解釈ができます。
カッコ内は95%信頼区間を表していますが、この数字の上限と下限が両方とも1.00を下回っていれば、統計学的に有意にリスクが低下していることを意味します。
このあたりの下の記事のコラムも参考にしてみてください。
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ヘルシー
カフェインの効果は凄いですね!
ここで質問なのですが、先ほど運転手さん同士の特徴の比較で、事故を起こした運転手さんのほうが睡眠時間が長かったり、事故を起こしていない運転手さんの方が直近の総運転距離が長かったりしましたよね。これらカフェイン以外の特徴の違いは、影響していないのですか?
アドホック

非常に重要な質問です!

カフェイン以外の要因が実は影響していた可能性は十分に考えられますよね。

あくまで仮定のお話です。例えば指摘していただいたこと以外にも、実は事故を起こした運転手さんは高齢者ばかりであり、眠気覚ましのためにカフェインを飲みたくても、胃腸の衰えやトイレが近くなってしまう(カフェインには利尿作用あり)などを理由に、若い人のようにカフェインを摂取できない方々ばかりだったかもしれません。この場合、カフェインを使用していないことは、単に高齢であることの裏返しということになりますね。年齢が高い方が、交通事故を起こすリスクが高いことはご理解いただけると思います。

このように、最終的な結果に影響する可能性のある因子には十分に注意が必要です!

アドホック

今回の論文では、表の右上に”Adjusted” ORと書かれているように、他の要因のことは可能な限りadjsut(調整)されています。具体的には、年齢や運転距離、睡眠時間、夜間の運転などの影響を考慮しています!

ヘルシー
色々な影響を折込済みの結果ということでしたら、カフェインの独立した効果で事故のリスクを減らせると解釈しても良さそうですね!

このような因子の補正については、他の記事で解説したことがあります。

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アドホック

あともうひとつ!過去5年間で交通事故を起こしたことがあるだけで、事故を起こしていな人と比較して1.81倍も交通事故の発生リスクが上がるという結果が得られています。

これはその運転手のそもそもの運転の技量を反映したものでしょうか。

「歴史は繰り返す」「二度あることは三度ある」ではないですが、過去に交通事故を起こしたかどうか、

長距離トラック運転の業務に従事してもらうかどうか決める時に、重要な情報になることを物語っていますね。

アドホック

カフェインの効果をご理解いただけましたでしょうか?

仕事におけるカフェインの効果のまとめ

ご紹介したカフェインが減らすという知見は、運送業を始め、タクシー運転手や営業で乗用車を使用する人、工場で重機の操作をする人がいる職場などにも応用できそうですよね!

さらに仕事に役立つカフェインの効果をまとめてみようと思います。

・交代勤務者の注意力を高めた報告
 Cochrane Database Syst Rev 2010;5:CD008508.
・単純作業の作業効率を改善したとの報告

 Human Psychopharmacol 2001;16:523-31.
・カフェイン摂取と昼寝が、夜勤従事者の仕事のパフォーマンスや注意力を高めたとの報告
 Sleep 2006;29:39-50.
特に夜間帯に働く人には恩恵が多いことが分かりますね。
またコーヒーは発想力や集中力を高めてくれる実感がありますので、ここで提示いたような不規則な時間帯の仕事や単調な仕事以外にも、クリエティブな仕事にも有効であると思います。

まとめ

この記事の要点
・カフェイン含有飲料は、長距離運転手の交通事故のリスクを減らす!
・カフェインは、夜勤業務のパフォーマンス及び単純作業の生産性を向上する!
アドホック

お疲れ様でした。

ヘルシー
仕事とコーヒーの愛称はバッチリなのですね!
アドホック

本格的な労災予防や業務の効率化となると、基本的な構造的な見直しが必要になりますが、オプション的な位置付けとしてコーヒー含めカフェインの戦略的な摂取は選択肢としてアリかもしれませんね!

ヘルシー
夜勤がある職場でも大活躍しそうですね!
レイジー
コーヒーは凄いんだね、毎日コンビニのコーヒー10杯飲む!!
ヘルシー
いやいや、それはダメですよ!論文で400mg以上のカフェイン摂取量の方が多かったとはいえ、あくまで過酷な長距離トラックの運転手さんが、仕事の眠気覚ましための摂取した訳ですから、普通の時間帯に活動している人には多すぎますよ!
アドホック

1日の上限量は400mgです。私はコーヒーは1日4杯をオススメしています。

・経営戦略として、業務効率や安全性の向上を目的に、カフェイン摂取の奨励に医学的根拠あり。
アドホック
最後までお読みいただき、ありがとうございました!!
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