【コーヒーとうつ病】驚きの効果!うつ病はcommonで重要な疾患!

アドホック
こんにちは。ドクターアドホックです。
ヘルシー
アシスタントのヘルシーです。
クンクン…いい匂いがすると思ったら今日もコーヒー飲んでますね!
アドホック

1日4杯が私の習慣ですからね。

ヘルシー
コーヒー習慣で寿命が伸びる話は前にも教えてもらいました!
その他にメリットはあるんですか?

コーヒーは美味しいですよね。

コーヒーに魅了人されている人は多いのではないでしょうか?

今日はコーヒーのうつ病とコーヒーというテーマでお話させていただきます。

 

アドホック
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未読の方はぜひご覧になってみて下さい。

この記事について
生産年齢人口の死因の上位は自殺です。その原因のひとつに「うつ病」が挙げれます。注意が必要な「うつ病」について、その概要の説明から始めます。さらにその予防にコーヒー習慣が有用である可能性を示唆した論文をご紹介します。うつ病を始めとしてメンタルヘルスは社会的な課題ですので、この記事を知識の整理としてお役立てください!

うつ病についてぜひ知っておきたいこと

うつ病患者が増加している現実…

 

アドホック
現代はストレス社会と呼ばれていますけど、過度な負担が原因で、
心身の不調をきたしている人が多いですよね。
ヘルシー
私の友達も仕事の激務が原因で休職した友人がいます…
真面目で誠実な人で、周囲から仕事が出来ると評判だった人だけに驚きました…
アドホック

実はその真面目な性格がうつ病が災いしたのかもしれませんね…

コーヒーの話の前に、メンタル不調について少しお話します。

皆さんも「最近元気が出ない」「気分が落ち込んでいる」「鬱(うつ)だ…」という感情を抱いたことはありませんか?

これだけストレスの多い社会ですので、皆さん経験があるのではないかと思います。

このような感情のことを「抑うつ気分」と表現します。

そしてこの「抑うつ気分」が「強い状態」のことを「抑うつ状態」と呼びます。

さらに「抑うつ状態」がある一定期間持続し、一定の重症度を超えると「うつ病」となります。

世間一般で「うつ」と呼ばれる多くは、「抑うつ気分」のことを指しているように思いますが、

実際に「うつ病」と診断される人も年々増加しています。

引用:厚生労働省ホームページ みんなのヘルスケア

精神疾患の患者数の推移を表したグラフですが、オレンジ色の「気分障害」にうつ病が含まれています。

平成14年には71万人だった患者数が、何と15年後の平成29年には127万人まで増加しています。

うつ病の生涯有病率は3-7%とされ、約33-15人に1人が発症すると考えられます。

イメージとしては、1クラス40人程度の小学校で大人になって同窓会をした時に、悲しいことにクラスに1-3人は「うつ病」を経験している計算です。

ヘルシー
身近でみんなが発症する可能性がある疾患なのですね。
アドホック

またうつ病になりやすい性格があることが知られています。
その中の一つに「メランコリー親和性格」というものがあります。
「秩序を重んじ、周りの人と争いを好まない性格」です。

 

ヘルシー
まさしく「いい人」ですね。
学校や職場で評判の良かった人が、急にメンタル不調になるというお話を聞いたことあります。もともとの素晴らしい性格も関係していたんでしょうね…
特定の性格特性があるから必ず「うつ病」になるとは限りません。
ただ心を病むことは誰にでも起こり得ることだと思っていただければと思います。

うつ病は「死」につながることのある疾患…

アドホック

ここでご質問です。ヘルシーさんにとって怖い病気は何ですか?

 

ヘルシー
病気はどれも怖いですけど…
特に怖いのは「がん」「急性心筋梗塞」「脳卒中」だと思います。
いわゆる三大疾病が頭に思いつきました!
アドホック

どれも重篤な疾患ですよね!やっぱり死に直結する病気は怖いですよね。
日本人の死因について、厚生労働省の報告を見てみましょう!

引用:厚生労働省ホームページ 平成30年度人口動態調査

アドホック

死因の第1位はがん(悪性新生物)ですね。第2位は急性心筋梗塞を含む心疾患で、第4位に脳卒中(脳血管疾患)ですので、いわゆる三大疾病は見逃せません。
ただ今回注目していただきたいのは「自殺」の欄です。上の円グラフで、その他の前にある項目です。

ヘルシー
疾患名ではないので思い浮かびませんでしたが、怖いですよね。
全体としては1.5%ですか。

引用:厚生労働省ホームページ 平成30年度人口動態調査

ヘルシー
全年齢の統計で見ると目立ちませんでしたが、
20代と30代の死因の第1位が「自殺」なのですね!!

さらに幅を広げて10代から40代で見ても、上位3位までにランクインしているんですね!!
多様な可能性のある若者や働き盛りの世代の方々の年代で、
自殺が死因の大多数を占めていることは本当に悲しいことです。
辛い現実ですが、いかに自殺が社会問題になっているか知っていただきたく、実際のデータを掲載しました。
自殺の原因
・「家庭問題」、「健康問題」、「経済・生活問題」、「勤務問題」、「男女問題」、「学校問題」など様々な問題が自殺の原因として挙げられます。
・平成30年度の厚生労働省の統計によると、自殺してしまった20代の約3人に1人、30代では2人に1人が、「健康問題」を理由に自殺しています。
・そして「健康問題」の約半数が「うつ病」によるものと報告されています。

参考:「厚生労働省ホームページ 自殺の統計」より引用
アドホック

実際にうつ病の診断基準の中に、死に関わる記載があります。

うつ病の診断(DSM-5)の一部抜粋

A.以下の症状のうち5つ(またはそれ以上)が同じ2週間の間に存在し、病前の機能からの変化を起こしている。これらの症状のうち少なくとも1つは(1)抑うつ気分、または(2)興味または喜びの喪失である。

注:明らかに他の医学的疾患に起因する症状は含まない。

  1. その人自身の言葉(例:悲しみ、空虚感、または絶望を感じる)か、他者の観察(例:涙を流しているように見える)によって示される、ほとんど1日中、ほとんど毎日の抑うつ気分。
  2. ほとんど1日中、ほとんど毎日の、すべて、またはほとんどすべての活動における興味または喜びの著しい減退(その人の説明、または他者の観察によって示される)。
  3. 食事療法をしていないのに、有意の体重減少、または体重増加(例:1ヵ月で体重の5%以上の変化)。またはほとんど毎日の食欲の減退または増加。 注:子どもの場合、期待される体重増加が見られないことも考慮せよ。
  4. ほとんど毎日の不眠または過眠。
  5. ほとんど毎日の精神運動焦燥または制止(他者によって観察可能で、ただ単に落ち着きがないとか、のろくなったという主観的感覚ではないもの)。
  6. ほとんど毎日の疲労感、または気力の減退。
  7. ほとんど毎日の無価値感、または過剰であるか不適切な罪責感(妄想的であることもある。単に自分をとがめること、または病気になったことに対する罪悪感ではない)。
  8. 思考力や集中力の減退、または決断困難がほとんど毎日認められる(その人自身の言明による、または他者によって観察される)。
  9. 死についての反復思考(死の恐怖だけではない)。特別な計画はないが反復的な自殺念慮、または自殺企図、または自殺するためのはっきりした計画
アドホック

うつ病の患者さんは増えていること、そして死につながる可能性のあるとても怖い病気であることをご理解いただけたでしょうか。

ヘルシー
「自分は大丈夫!」と過信せず、辛い時には、家族や友人、医師に相談するようにしましょう!

コーヒーがうつ病に効く!?

カフェインとうつ病に関する研究

少し暗い話題が続きましたが、コーヒーと「うつ」の話に戻りましょう。

大規模疫学研究をご紹介します。

今度は明るい気持ちで読み進めてください!

A total of 50,739 US women (mean age, 63 years) free of depressive symptoms at baseline (in 1996) were prospectively followed up through June 1, 2006.

引用:Lucas M, Mirzaei F, Pan A, Okereke OI, Willett WC, O’Reilly ÉJ, Koenen K, Ascherio A. Coffee, Caffeine, and Risk of Depression Among Women. Arch Intern Med. 2011;171:1571–1578.

「調査開始時(1996年)にうつ症のなかった合計5万739人のアメリカ人女性(平均年齢63歳)の方々を、2006年5月1日まで前向きにフォローアップした」研究です。

解析対象者は多く、また追跡期間も10年間と十分な期間だと思います。

では最初に結論を確認しましょう!

In this large longitudinal study, we found that depression risk decreases with increasing caffeinated coffee consumption.

引用:Lucas M, Mirzaei F, Pan A, Okereke OI, Willett WC, O’Reilly ÉJ, Koenen K, Ascherio A. Coffee, Caffeine, and Risk of Depression Among Women. Arch Intern Med. 2011;171:1571–1578.

「この大規模縦断研究では、カフェイン含有のコーヒーの摂取量増加によるうつ病のリスク低下を示した」ということです!

ヘルシー
コーヒーはうつ病予防に効果がある可能性が示唆されたのですね!

結果の詳細

引用:Lucas M, Mirzaei F, Pan A, Okereke OI, Willett WC, O’Reilly ÉJ, Koenen K, Ascherio A. Coffee, Caffeine, and Risk of Depression Among Women. Arch Intern Med. 2011;171:1571–1578.

結果は上の図の通りです。

縦軸がうつ病の発症リスクを表して、横軸がカフェインの摂取量を表しています。

アメリカでは一般に、カフェイン摂取の80%がコーヒーによるものとされています。

図の左下に「p for trend = 0.02」と記載されています。

これは「カフェインの摂取量が多いほど、うつ病の発症リスクが低くなる」という統計学的に有意であることを示しています。

さらにカフェイン摂取量が一番少ないグループ(100mg/日未満)と、一番多いグループ(≧550mg/日)を比較すると、

うつ病発症のリスクが20%低下(RR 0.80 [95%CI 0.68-0.95])していました!

ヘルシー
カフェイン摂取量が多いほど、うつ病のリスクを下がるのですね!
ちなみにカフェインはコーヒー以外にも、チョコレート、緑茶や紅茶などにも含まれていますよね。
純粋にコーヒーとうつ病の直接の関係も知りたいです!
アドホック

安心してください!解析されていますよ!

引用:Lucas M, Mirzaei F, Pan A, Okereke OI, Willett WC, O’Reilly ÉJ, Koenen K, Ascherio A. Coffee, Caffeine, and Risk of Depression Among Women. Arch Intern Med. 2011;171:1571–1578.

コーヒー摂取の頻度別に、うつ病のリスクが記載されています。

まず全体の傾向として、コーヒーの摂取頻度が増えるほどうつ病の発症のリスクが低くなるという結果でした。

「p for trend」のp値がどれも0.05を下回っていますことで表現されています。

さらにコーヒー摂取の頻度別に見てみると、

コーヒーを飲まない人(1週間に1杯以下)のグループと比較して、

1日2杯以上のコーヒー飲む人達でうつ病の発症リスクが低下するという結果になりました。

これは「Multivariate model」で、コーヒーの摂取量が2-3杯/日の方と、4杯/日以上の方において、

相対リスクがそれぞれ0.85(0.75-0.95)、0.80(0.64-0.99)と記載されているところを読み取ったものです。

()内は信頼区間を表していて、ここでは「1.00を跨がない場合は有意差がある」と考えます。

(残念ながら年齢の補正だけでは有意差は出ませんでしたが、上記の通り傾向検定は有意でした)

「補正」についてより学びたい方は下記の記事を参考にしてください。

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ヘルシー
こちらの方が分かりやすいですね!
コーヒーを飲むなら1日2杯以上がいいんですね!
アドホック

他のコーヒーに関する死亡率や心血管疾患の報告では、今回のうつ病の報告と同じように、容量依存的に恩恵が強くなるものがいいですね。

ヘルシー
コーヒー1日4杯が習慣ですもんね!

カフェインはなぜうつ病に効く?

少し専門的な内容のセクションです。十分に理解ができなくても問題ありませんので、身構えずに気楽に目を通してみてください。読み飛ばしても大丈夫です!
アドホック

残念ながら詳細まで解明されていないようです。
ただ喜びと関連する「ドパミン」という物質の役割を高める効果は関係しているようです!

ヘルシー
そもそも何でうつ病になるんですか?
アドホック

実は本当の細かいところまで分かっていないのが現実です。
原因の説明の1つとして、昔から「モノアミン仮説」が提唱されています。

ヘルシー
モノアミンについて調べてみました!喜びや快楽に関係する「ドパミン」、驚きや恐怖に関係する「ノルアドレナリン」、そしてこれらをコントロールする「セロトニン」など、これらを総称してモノアミンと呼びようですね。
アドホック

この3つがうつ病に関係するモノアミンと考えられていて、「これらモノアミンが減ることで、うつ病が引き起こされる」というのがモノアミン仮説です。

実際に脳内のセロトニンやノルアドレナリンの働きを高める薬剤が、臨床の現場で使用されています!

そしてカフェインには、ドパミンの働きを調整する作用があると考えられています。

ドパミン不足の状態では脳内の一部の細胞ではアデノシンが有意になりますが、

カフェインにはアデノシンA2A受容体を阻害する作用があります。

アデノシンの作用をカフェインが阻害することで、結果としてドパミンの輸送が調整されるというのが、カフェインがうつ病に効く機序の1つとされています。

そしてこのアデノシンA2A受容体拮抗作用は容量依存的なので、

コーヒーの摂取量が多いほどうつ病発症を抑制したものと思われます。

アドホック

ドパミンが関与する病気にパーキンソン病がありますが、

実際にアデノシンA2A受容体拮抗薬は、その治療薬として登場しています。

まとめ

この記事の要点
・うつ病は、死につながる可能性のある重要な病気であり、患者数は増加している。

・コーヒーにうつ病の予防効果の可能性あり!
アドホック

お疲れ様でした。

ヘルシー
コーヒーの魅力について、さらに理解が深まりました!
アドホック

ここで重要な点を補足しておきます。
紹介した論文はあくまで「うつ病のない方における発症予防効果」を示唆する結果でした。
うつ病の「治療効果」を示した訳ではありませんのでご注意ください!

ヘルシー
すでに通院・治療中の方や、うつ病などのメンタル症状がある方は、コーヒー習慣の前に、躊躇わずにお医者さんに相談しましょう!
レイジー
無理してコーヒー毎日5杯飲んでたら、夜は眠れなくなるし、眠りも浅いし、逆に体調悪くなっちゃったよー。
ヘルシー
カフェインの覚醒作用は睡眠の質を低下させてしまうことがあります。
半減期は約5時間ですので、夕方以降の摂取は控えましょう!
アドホック

またカフェインの忍容性には個人差があります。
確かに多く飲むほど健康によいのはデータとしては事実ですが、
無理して大量に飲むことも避けましょう!

コーヒーを飲み上での注意点は、以前にもご紹介していますので、ぜひご参照ください。

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アドホック
最後までお読みいただき、ありがとうございました!!
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