【熱中症の診療】外来診療の備忘録

アドホック
こんにちは!今回は「熱中症」についてまとめます。
ヘルシー
主にプライマリケアの現場で役立つ内容です!

診療のポイント

熱中症は重症度が低い順に、①Ⅰ度(軽症)、②Ⅱ度(中等度)、③Ⅲ度(重症)に分けられ、最重症のⅢ度の死亡率は10%以上と報告されています。

高齢者に発生しやすく、また室内での発生例が多いことに注意が必要です。

Ⅲ度熱中症は入院適応です。またⅡ度熱中症でもⅢ度熱中症に移行するリスクがあることから、入院を考慮します。

治療の基本は冷却、補液です。Ⅲ度熱中症では、呼吸不全、腎不全、DIC、脳浮腫などの多臓器不全を呈することがあり、人工呼吸や血液透析などの集学的治療が必要となります。

熱中症の分類

横紋筋融解症の合併に注意

筋細胞成分が血中に遊離することで、急性腎不全やhypovolemic shockなど多彩な病態を呈する疾患です。原因として、筋肉の圧迫挫滅やトレーニングよる急性運動性横紋筋融解に加えて、高温環境下での変性融解が挙げられます。

Ⅱ度以上の熱中症では、横紋筋融解症を念頭に、尿検査を実施しておきましょう!尿中ミオグロビンを反映して、尿潜血反応(+)、血尿(-)というパターンを呈します。

治療は十分な点滴浦液や利尿剤を使用して、血中ミオグロビンを低下させますが、血液浄化が必要な症例もあります。

薬剤が原因の横紋筋融解症
脂質異常症の治療薬であるHMG-CoA還元酵素やフィブラート系薬剤が代表的な原因薬剤です。頻度は落ちますが、三環系抗うつ薬やドパミン受容体作動薬などの精神病薬や抗てんかん薬、キノロン系やマクロライド系などの抗生物質、ACEI/ARB、H2受容体拮抗薬、キサンチン系などの高尿酸血症治療薬、総合感冒薬など日常診療で頻用される薬剤においても横紋筋融解症の報告があることを知っておきましょう!

熱中症の治療

冷却と補液が基本になります。

Ⅰ度熱中症は塩分不足が主病態ですので、ナトリウムを含む経口補水液や生理食塩水の点滴を行います。症状が改善すれば経過観察可です。

Ⅱ度熱中症から入院を考慮します。血管内脱水に対して生理食塩水の点滴を行います。また深部体温が上昇していますので、体表冷却を行います。

Ⅲ度熱中症は入院が必要です。多臓器不全に対して集学的治療を行います。血管内脱水を合併しないこともがあるため、安易な大量補液には注意が必要です。

なお効率的に体温を下げる方法として発汗がありますが、熱中症患者さんでは発汗がない場合があります。その場合は、霧吹きで体を湿らせて、扇風機などで送風し、体温をさげましょう!

おわりに

アドホック
「熱中症」の診療についてまとめてみました
ヘルシー
熱中症は比較的頻度が高い疾患ですが、重症度を的確に判断し、安易な経過観察は命取りになることに気をつけましょう!
最新情報をチェックしよう!