【新型コロナウイルス】「感染収束と集団免疫」【アドホック便】

アドホック
こんにちは!アドホックです。
ヘルシー
アシスタントのヘルシーです!
アドホック
【アドホック便】では、私が気なるものをジャンルを問わずに、色々とご紹介しています。
今回は「感染収束と集団免疫」についてお話しようと思います。

まずは論文で事実確認!

最初に2つだけ論文を掲載します。

結論は日本語でまとめましたので、そちらだけお読みいだ頂ければ大丈夫です。

私の考えを述べる前に、まずは客観的な事実を確認することから始めましょう!

ヘルシー
文書やブログを読みときは、どこが事実やデータで、どこが執筆者の意見や評価なのか、明確に区別することが大切ですよ!自分ならこのデータでどうに考えるかな?と能動的に読み進めることで、理解度が格段に上がります!

引用:Sheila F. Lumley, B.M., B.Ch., Denise O’Donnell, B.Sc., Nicole E. Stoesser, M.B., B.S., D.Phil., Philippa C. Matthews, F.R.C.P., D.Phil., Alison Howarth, Ph.D., Stephanie B. Hatch, Ph.D., Brian D. Marsden, D.Phil., Stuart Cox, Tim James, Ph.D., Fiona Warren, B.Sc., Liam J. Peck, D.Phil., Thomas G. Ritter, B.A., et al., for the Oxford University Hospitals Staff Testing Group*. Antibody Status and Incidence of SARS-CoV-2 Infection in Health Care Workers. N Engl J Med. 2020 Dec 23;NEJMoa2034545

これは前回簡単に取り上げた論文ですね。

「論文の結果」や「免疫と抗体」について確認したい方は下の記事を参考にしてください!

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新型コロナウイルスの抗体保有者は、半年間、再感染リスクが低下する!
ヘルシー
期間限定かもしれませんが、感染後の免疫獲得ができることを示した論文でしたね!
そしてもう一つの論文を提示します!

高所得国は、主要なワクチン製造業者からのワクチン供給の50%強をすでに注文しています。その残りが低中所得国で使用されるワクチンですが、これら低中所得国は世界の人口の85%以上を占めています。 また全てのワクチンメーカーが最大生産能力でワクチン製造をしたとしても、世界人口の少なくとも「5分の1」の人達は、2022年までワクチン接種を受けることができません。

ヘルシー
ちょっここれは興味深い内容ですね!
まとめると、まず2つの免疫獲得の方法があることがわかりました。
「ワクチン接種を受けること」および「新型コロナウイルス感染症に罹患すること」です。
そしてワクチンの普及に国ごとの所得間格差があること、また最大限努力しても2022年までに全人口の20%の人がワクチンを受けられない見込みであることがわかりました。

感染収束の考え方

肝心なのは、新型コロナウイルスの感染拡大が収束し、完全にもとの生活に戻れるかどうかですよね。

ヘルシー
早くみんなでお食事会がしたいです!
ではこの「収束する」という言葉について考えてみましょう!
例えばある人がウイルスに感染したとします。
この人が、今度は他の「2人」にウイルスを感染させてしまうと仮定します。
感染させられた2人は、それぞれさらに別の「2人」に感染させて………
ヘルシー
どんどん感染者数が増えていきます!
これは困ります!
アドホック
感染拡大ですよね。これは「1人の感染者が2人に感染させる」場合のお話です。この「何人」に感染させてしまうか、この人数が重要です!
では今度のシナリオを考えてみましょう!
ある人がウイルスに感染しました。
今度はこの人が他の「0.5人」にウイルスを感染させてしまう場合です。
ヘルシー
0.5人?不思議な感じですが、ただ感染者はどんどん少なくなりますね!これなら感染が収束しそうです!!
その通りですね!
感染者が他の人にウイルス感染を広げてしまう人数が「1人未満」なら感染は収束できそうですよね!
ヘルシー
感染収束の必要条件が理解できました!
アドホック
ちなみこの何人に感染させてしまうかの「何人」を「実行再生産数」と表現しますので、覚えておいてくださいね!
ではこの実行再生産数が1未満の状況について、もう少し考えてみましょう!
ちなみに実行再生産数は「感染症数理モデル」によって導かれるのですが、
そのあたりを簡単に解説したことがありますので、興味がある方は下記記事の該当箇所をご覧ください。
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集団免疫

先ほどは、ウイルスに感染した人が、次に感染させる人が1人未満であれば、感染収束に向かうことを確認しました。

ではこの感染させてしまう人数を低くするには、どうすればよいでしょうか?

1つは「ウイルスの感染力が低下する」ことが挙げられます。

ウイルスが、時間経過とともに感染力が低下していく可能性が考えられるのです。

その背景の理解には、ウイルスがそもそも生物ではなく「物質」であるということの理解が必要です。

ヘルシー
ウイルスは生きていないのですか?

ちょっと小難しいのですが、ウイルスの比較対象として「細菌」を考えてみましょう。

細菌は自分で栄養を取り込んで、エネルギーを産生する能力を持っています。

そのエネルギーを使用して生存しており、どんどん自分自身で増殖することができます。

これらは細菌が自分の中にそのような「細胞」を持っているから可能になります。

ヘルシー
などほど!自分自身の「細胞」を持っているかどうかが、生物かどうかの決定要因なのですね!

その通りです。

そしてウイルスは、細菌と違い、自分の細胞を持ちません。

ウイルスは自分で栄養を摂取してエネルギーを産生することはできません。

そこで生物というよりは物質と考えられるのです。

ヘルシー
わかりました!これと感染力にはどのような関係があるのですか?
アドホック
ウイルスは自分で生きていくことができませんので、生存するためには他の生物の細胞を利用しないといけません。そのために何かに感染するのです。ここでウイルスに感染された生物を「宿主(しゅくしゅ)」と呼びます。
では「宿主」がいなくなってしまったら、絶命してしまったら、ウイルスはどうなりますか?
ヘルシー
お家がなくなってしまって、ウイルスは困ってしまいますね!
つまり宿主が淘汰するほどの感染力は、ウイルスの側としても不都合なのです。
そこで他の生物との調和をとるために、感染力が低下することが予想されるということですね。
ヘルシー
面白いですね!
では感染収束ための2つ目の方法、これがみんなが免疫を獲得することになります。
一番最初に確認した論文を振り返ってみましょう!
新型コロナウイルスの抗体保有者は、半年間、再感染リスクが低下する!
具体的な免疫の獲得方法として、
「一度ウイルスに感染してしまう」もしくは「ワクチン接種を受ける」になります。
ヘルシー
こちらは理解しやすいです!
ここで大事な用語である「集団免疫」について理解しましょう!
集団免疫とは「ある感染症に対して多くの人が免疫を持っていると、免疫を持たない人に感染が及ばなくなる」という考えになります。
最終的に免疫がない人まで恩恵が受けられるというのは素晴らしいですね!
ヘルシー
早期にワクチンが行き渡ることが急務ですね。
まとめると、実行再生産数が1未満の状況が続けば感染は収束に向かいます。
そして集団免疫を獲得できれば、ウイルスの脅威から解放されるということになります。

感染収束の見込みは?

だいぶイメージが湧いてきたでしょうか?

では実際の感染収束の見込みについて考えていきましょう!

まずは有識者の意見を共覧します。

 米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は、新型コロナウイルスに対する集団免疫獲得には人口の90%近くのワクチン接種が必要となる可能性があるとの認識を示した。

米紙ニューヨーク・タイムズとのインタビューが24日掲載された。

ファウチ氏はこれまで、集団免疫の獲得には人口の60─70%のワクチン接種が必要との見通しを示していたが、「真の水準は実際には分からない。90%とまでは言わないが、70─90%のレンジと考える」と述べた。

引用:ロイター

ヘルシー

アンソニー・スティーヴン・ファウチ(Anthony Stephen Fauci )氏は、1984年からアメリカ国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)所長を勤めている方で、米国の感染症の大御所中の大御所です!!

十分にワクチンが行き渡らないと、集団免疫の獲得が難しいことが分かります。
ここで最初に提示した論文を思い出しましょう!

高所得国は、主要なワクチン製造業者からのワクチン供給の50%強をすでに注文しています。その残りが低中所得国で使用されるワクチンですが、これら低中所得国は世界の人口の85%以上を占めています。 また全てのワクチンメーカーが最大生産能力でワクチン製造をしたとしても、世界人口の少なくとも「5分の1」の人達は、2022年までワクチン接種を受けることができません。

ヘルシー
特に後半部分が注目ですね!ワクチンだけ免疫を獲得しようと思うと、ベストシナリオで2022年までで80%の人にワクチン接種が可能ということですか。さきほどのファウチさんの発言を踏まえると、ギリギリ集団免疫が獲得できる水準ですね!
アドホック
そうですね!またすでに感染した人は少なくとも一定期間は抗体を有しているので、もう少し免疫獲得者は多くなる見込みになりそうです。
まとめると「2022年までには集団免疫を獲得できる可能性がある」というのが現段階での憶測になるのではないかと思います。
アドホック
ちょっとここで思い出してほしいことがあります。
ワクチンは高所得国の分配が多い見込みなることが論文に書かれていました。
つまり国ごとに、感染収束時期が大きく異なることを想定すべきではないかと思います。
WHOも高所得国と低所得国の格差については、カンファレンスで取り上げています。
なのでここからは私のあくまで予想ですが、
2021年中に「高所得国」では集団免疫の獲得に近いレベルまで、感染を押さえ込むことできると思います。
ただ「低所得国」では、その達成は難しいと思います。
そしてその後の展開は大きく「2つのストーリー」があると思います。
グッドストーリーは、2022年には低所得国にもワクチンが行き渡り、これまでの感染者数の増加との相加効果によって、集団免疫を獲得する。
バッドストーリーは、低所得国での感染拡大の中で、ワクチンが効かない変異種が出現し、感染拡大が世界的に再燃する。
ヘルシー
油断大敵ですね。
アドホック
あくまで私の予想です。もちろんグッドストーリーを祈っています!!

おわりに

アドホック
お疲れ様でした!
ヘルシー
なかなか考えさせられる内容でしたね!
アドホック
今日は最後にWHOからのメッセージを添えて終わろうと思います!

We need to follow the public health basics now more than ever.

Keep as much physical distance as you can from other people. Keep rooms well-ventilated. Wear a mask. Keep your hands clean. And cough away from others into your elbow.

You might get fed up of hearing it but the virus is not fed up with us.

Limiting transmission limits the chance of dangerous new variants from developing.

引用:WHO Director-General’s opening remarks at the media briefing on COVID-19 – 11 January 2021

アドホック訳(意訳)です。

「ソーシャルディスタンスや部屋の換気、手洗いなどの基本的な感染予防を、これまで以上に徹底しましょう!皆さんは感染予防について何度も聞かされ、耳にタコができているかもしれません…もううんざりかもしません…でもそんなの関係ないのです!飽き飽きしているのは私達だけで、ウイルスはうんざりなんてしてません!皆さんで感染拡大を抑制すれば、危険な変異種の出現機会を制限することができるのですよ!」

アドホック
みんなで頑張りましょうね!
最後までお読みいただきありとうございました!!
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