【高血圧】放置はダメ・ゼッタイ!120/80mmHgを超えると心血管疾患のリスク上昇!

アドホック
こんにちは!今回は「高血圧」についてまとめます。
ヘルシー
高血圧治療ガイドライン2019を参考に作成しています。

なぜ高血圧を放置してはいけないのか!?

高血圧は基本的に症状はないため、本人は困りません。そのため健康診断などで高血圧を指摘されても、その後の予防や治療を軽視してしまう方もいらっしゃいます。

ではなぜ高血圧を放置してはいけないのでしょうか?

・生命予後の改善と健康寿命の延長! 
ヘルシー
なるほど!
「生命予後の延長」とは、死亡率を下げることです。
まずは本邦の死因を確認しておきましょう!

引用:厚生労働省ホームページ 平成30年度人口動態調査

ヘルシー
死因のトップは悪性腫瘍ですね!
また高齢化を反映して老衰が死因の第3位になっているのが分かりますね!
アドホック

第2位に心疾患、第4位に脳血管疾患がランクインしていることに注目しましょう!
いずれも高血圧の二次的疾患になります!

ヘルシー
高血圧が原因となる疾患を合わせると、悪性腫瘍にも匹敵しますね!!
高血圧の予防・治療で二次性疾患の発症を防ぐことで、心疾患や脳血管疾患に罹患するリスクを減らすことができます。
これが生命予後の延長が期待できる主な要因になります!
続いて「健康寿命の延長」についてご説明します。
健康寿命とは「日常生活に制限のない期間」のことです。
一方、平均寿命とは全生存期間をことです。
「平均寿命≧健康寿命」という関係になりますが、この差をできるだけ縮めることが重要です。
下の図のように、平均寿命と健康寿命の差は、男性で約8年、女性で約12年になります。
ヘルシー
日常生活に制限のあることの例として、「介護」を必要とする状態が代表的ですね!
アドホック

その通りです。
では本邦の介護が必要になった理由に関する統計データを見てみましょう!

引用:厚生労働省 「平成28年 国民生活基礎調査の概況」

要介護状態となる主な原因として、認知症や老衰、骨折・関節疾患、そして「脳血管疾患」が挙げられています。

整形学的な要因で動くことができなることは想像に容易ですが、脳梗塞による四肢麻痺も同様に日常生活を大きく制限してしまいます!

そしてこの脳血管疾患の大きなリスクが高血圧になります。

ヘルシー
高血圧の予防・治療により、脳血管疾患の発症による要介護状態になることを防ぐぎ、結果として健康寿命を延長することになるということですね!
このように高血圧の予防・治療は非常に大切です。
心疾患や脳血管疾患の発症など重篤な病気を発症して初めて、血圧管理の大切さをご理解される患者さんをたくさん見てきました。幸いに一命を取りとめた方や大きな後遺症がない方がいる一方で、突然死をしてしまったり、寝たきりになってしまったりしてしまう方がいるのも事実です。
ヘルシー
後悔先に立たず…

血圧値の分類

では自分は実際に高血圧のなのでしょうか?

実際に血圧を測定してみて、下記の分類表と照らし合わせてみましょう!

ヘルシー
測定場所によって評価が変わるのですね!
アドホック

そうですね!
また診察室血圧≧140/90mmHgで高血圧と分類されていますが、その前段階から正常高値血圧、高値血圧と細分化されていることに注目しましょう!

「収縮期血圧が140mmHgを超えなければ問題ない!」と考えている方が多いのではないでしょうか?

ただ分類表をよく見てみると、収縮期血圧≧130mmHgから「正常」という言葉が外されています。

これは高血圧の基準を満たす前から、心血管疾患のリスクが高まることへの警鐘を意図していると思われます。

正常血圧を超えると心血管疾患のリスクが上昇!?

正常血圧の基準は「収縮期血圧120mmHg未満かつ拡張期血圧80mmHg未満」でした。

ヘルシー
正常血圧はかなり厳しい基準のようにも感じますが、どうしてでしょうか?
アドホック

正常血圧と比較して、正常高値血圧や高値血圧の方々でも心血管疾患よる死亡リスクが高いことが報告されているからです!

実際に医学論文を確認してみましょう!

引用:Akira Fujiyoshi, Takayoshi Ohkubo, Katsuyuki Miura, Yoshitaka Murakami, Shinya Nagasawa, Tomonori Okamura, Hirotsugu Ueshima, Observational Cohorts in Japan (EPOCH-JAPAN) Research Group. Blood Pressure Categories and Long-Term Risk of Cardiovascular Disease According to Age Group in Japanese Men and Women. Hypertens Res. 2012;35:947-53.

40-89歳の日本人67309名が解析対象となった研究です。
「正常血圧」を維持することが心血管疾患の予防に有効であることが報告されました。
図中の血圧分類は、下記のように、今回紹介した血圧分類と同じ基準になります。
アドホック

optimalはbestやmost suitableと同義で、ここでは「最適な」「至適な」という日本語訳になります。normalよりもさらに良い意味合いの言葉です。
日本語訳と異なりますので、見間違えないようにしてください!

では図を見ていきましょう!
Very elderly(75-89歳)、Elderly(65-74歳)、Middle-aged(40-64歳)に層別化して解析させれています。
まずは一番下の40-64歳の欄をご覧いただき、下から2番目のHR(95% CI)に注目してください。
日本語ではハザード比(95%信頼区間)になります。
見方として、()の95%信頼区間が1.00を跨いでいない時、統計学的に有意であることを示します。
有意かどうかを確認したあとにハザード比を見ます。
今回の図ですと、「optimal(正常血圧)のハザード比が1」となっておりこれが基準です。
このoptimal(正常血圧)と比較して、各血圧群が何倍の心血管死亡のリスクがあるか、それぞれハザード比として記載されています。
ヘルシー
Normal/non-optimal(正常血圧高値)のHR(95%CI)は1.77(1.25-2.51)と記載されています。Normal/non-optimal(正常血圧高値)はoptimal(正常血圧)と比較して、1.77倍の心血管疾患による死亡リスクがあるということですね!
アドホック

その通りです!さらに95%CIが(1.25-2.51)と1.00を跨ぎませんので、「統計学的に有意に」死亡リスクが上昇するとことを示しています。

仮に同値のハザード比であっても、1.50(1.20-1.70)は1.00を跨いでいないので有意である一方で、1.50(0.90-2,10)は1.00を跨ぐので有意ではありません。後者の場合、数学的な妥当性が得られなかったと解釈します。
ヘルシー
よく見ると血圧の重症度が高くになる毎に、ハザード比が上昇していますね!
Ⅲ度高血圧のハザード比8.50は怖いです…
アドホック

図の数字を丁寧に見てくれていて嬉しいです!
特に診察室血圧120-139/80-89mmHgの高血圧の基準を満たす前でも、死亡リスクが上昇していたことはインパクト大きいですよね!

血圧は年齢により至適範囲が異なる!?

ヘルシー
高血圧ではない方でも、血圧は低い方が良いことが分かりました!
でも時々「高齢者は血圧を下げ過ぎない方がよい」とも耳にしたりすることもありますが、どうでしょうか?

改めて先ほどの図を提示します。

引用:Akira Fujiyoshi, Takayoshi Ohkubo, Katsuyuki Miura, Yoshitaka Murakami, Shinya Nagasawa, Tomonori Okamura, Hirotsugu Ueshima, Observational Cohorts in Japan (EPOCH-JAPAN) Research Group. Blood Pressure Categories and Long-Term Risk of Cardiovascular Disease According to Age Group in Japanese Men and Women. Hypertens Res. 2012;35:947-53.

まずは各年齢群でのHR(ハザード比)に注目しましょう!

次に先ほどと同様に、有意かどうかを95%信頼区間が1.00を跨ぐかどうかで確認しましょう!

以下のようになります。

ヘルシー
どの年齢群においても、Ⅰ度高血圧以上になると心血管疾患の死亡リスクが上昇していますね!
アドホック

さらに40-64歳の年齢群においては、正常高値血圧の段階から、既にリスクが上昇していることは重要ですね!

ヘルシー
65歳以上になると、正常高値血圧群と高値血圧群で有意でないところもあるのですね。このあたりはどうでしょうか?
アドホック

一部「*」をつけましたが、65-74歳の年齢群における高値血圧のハザード比は1.40(0.99-1.99)となっており、95%信頼区間の下限値がギリギリ有意とならない数字になっています。統計学的には「有意差なし」であることには変わりないですが、死亡リスクを上昇させないと断言はしきれない結果だと思います。

降圧目標値

アドホック

先ほどの研究結果などを踏まえて、高血圧治療ガイドライン2019では以下のように降圧目標値を設定しています。

75歳未満の方に関しては、正常高値血圧以下になるように血圧管理をすることを目標としています。

一方75歳以上の方においては、原則として140/90mmHg未満になるように管理することを目標としつつも、糖尿病や脳心血管疾患の既往を有するなどの心血管リスクの高い方は、より血圧を下げることを目標としています。

ヘルシー
75歳以上の方は各人の健康状態などに応じて個別に対応するようになっているんですね!
アドホック

高齢になるにつれて、実年齢と健康状態の個人差が大きくなります。
冒頭の健康寿命のお話の通り、同じ75歳であっても現役で社会で活躍されている人もいれば、脳梗塞の後遺症として介護を必要する人がいたりと、一概に年齢だけで生活強度を決定できないようになります。

まとめ

この記事の要点
・診察室血圧120/80mmHg未満が「正常血圧」であり、「正常高値血圧」や「高値血圧」であっても、心血管疾患による死亡リスクが上昇する。
アドホック

お疲れ様でした。

ヘルシー
自分自身の血圧について考える絶好の機会になりました。
アドホック

高血圧の基準を満たしていないからといって、安心してはいけません!

レイジー
健康診断で135/85mmHgで問題なし!って思っていたのに、「生活習慣を見直しましょう」と注意書きがあったのには、こういう背景があったのか…
・高血圧は「サイレントキラー」!正常血圧を維持して危険を回避せよ!
アドホック

最後までご覧いただきありがとうございました!

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