【情報リテラシー】「情報の取捨選択」と「論文の抄録」のお話【アドホック便】

アドホック
こんにちは!アドホックです。
ヘルシー
アシスタントのヘルシーです!
アドホック
【アドホック便】では、私が気なるものをジャンルを問わずに、色々とご紹介しています。
今回は「情報リテラシー」と「論文の抄録」について、簡単にお話ししようと思います。

情報リテラシーについて

日常生活で色々なニュースや広告を目にしますね。
たくさんの情報に触れることは大切だと思います。
ただそのニュースや広告の信頼性を考えたことはありますか?
例えば「ワクチンの有効性が驚異の●●%!!」「ある健康食品でこの疾患のリスクが〇〇%も低下!!」という知らせを見たとき、どれくらいの根拠のある数字なのだろうかと疑問に思ったことはありますか?
アドホック
先ほど情報収集は大切と言いましたが、今は情報が溢れかえり、受動的にたくさんの情報が届くようになりました。そこで情報収集に加えて、その中から自分に有用な情報を選び出した上でそれを有効活用する能力が、より重要になると思います!
ヘルシー
情報リテラシーですね
ではこの情報リテラシーを磨く一つの方法に、情報の起源(オリジン)を確認することを習慣化することが挙げられると思います。
先ほどの健康に関する情報であれば、その発信者が根拠にしている研究データを、チラッと見てみるのです。
情報の根拠として、科学論文など挙げられていれば、それだけで信頼性が大きく上昇すると考えられますよね。 
ヘルシー
「引用」や「参考文献」の項目にアクセスしてみるのですね!
アドホック
そうですね!そこで論文の概要をさっと見ておくと、情報リテラシー向上に役立つと思います。
さらに一度でもそのプロセスを踏んでおくことで、「情報発信者の信頼性」まで自分の中で評価できます!
もちろん誰にでも間違いがあるので、一度の誤った情報の発信だけで、信頼性がないと烙印を押す必要はまったくありません。
ただ出来るだけ正確な情報発信を心がけているかどうかの「姿勢」をチェックしておくことは、大切だと思います!
ヘルシー
自分の専門領域以外だど、なかなか評価が難しいことが多いです。
特に自分の知らない用語を説明しているだけで「この人は凄い!」と関心しています。
アドホック
そうですよね。こちらが成長していくしかないと思います!
情報リテラシーが求められる時代です。情報の信頼性、情報発信者の信憑性を評価する訓練として、論文などの「情報のおおもと」をチェックする習慣を持ちましょう!

論文の内容を効率よく把握する方法

では情報リテラシー向上のために論文を読みたくなってきましたか?

ヘルシー
興味はありますけど…難しそうです!

正直申し上げて、急に英語論文を読みこなすようになる「魔法」はありません。

これはひたすら訓練するしかありません。

アドホック
ただそれでも継続していくと、だんだんと理解できるようになるものです!
今は簡単に翻訳もできる時代なので、和訳を横に置いて、内容を見ていくことから始めましょう!
アドホック
ではここから本題です!

そうは言っても、論文に書かれた文章を最初から最後まで全て読むのは大変だと思います。

そこでたいていの科学論文には、論文の冒頭に「抄録(アブストラクト)」と呼ばれるセクションがあります。

ヘルシー
「抄録」は「ショウロク」と読みますよ。

ここに論文の肝心なところが記載されています。

時間がない方、大雑把な内容を知りたい方は、この抄録を読むだけ十分です。

論文の概要は「抄録」だけで把握できます!

実際の論文のトップページを掲載します。

引用:Sheila F. Lumley, B.M., B.Ch., Denise O’Donnell, B.Sc., Nicole E. Stoesser, M.B., B.S., D.Phil., Philippa C. Matthews, F.R.C.P., D.Phil., Alison Howarth, Ph.D., Stephanie B. Hatch, Ph.D., Brian D. Marsden, D.Phil., Stuart Cox, Tim James, Ph.D., Fiona Warren, B.Sc., Liam J. Peck, D.Phil., Thomas G. Ritter, B.A., et al., for the Oxford University Hospitals Staff Testing Group*. Antibody Status and Incidence of SARS-CoV-2 Infection in Health Care Workers. N Engl J Med. 2020 Dec 23;NEJMoa2034545.

このように論文の一番最初に掲載されます。
アブストラクトの構成は論文ごとに微妙に異なりますが、今回紹介する論文が掲載された「New England Journal of Medicine(ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスン)誌」のように「4部構成」が一般的です。
Background:研究の背景
Methods:研究の方法
Results:研究の結果
Conclusions:研究の結論
ヘルシー
もう少しわかりやすく説明します!まずBackgroundです!
Backgroundは研究の背景が記載されています。「どうして今回の研究を実施することになったのか、その理由を解説します。」という導入のセクションになります。「世界ではこんなことが問題になっていますが、まだわからないことがたくさんあります。そこで今回の研究を目的は、その不明点を明らかにすることです。」という記載を多く見かけます。
ヘルシー
次にMethodsです!
Methodsは研究の方法です。このMethodsで最も大事なことは、研究の再現性です。論文で証明された結果が、他の研究者の方が同じ手順で行った時に、ちゃんと同様の結論になるのかが再現性です。研究者が疑われている訳ではありませんが、研究者が自分に都合の良い結果を得たいという恣意性の排除は、科学論文には必要です。なのでこのセクションには、研究の概要を淡々と客観的に記載されています。
ヘルシー
Resultsです!
Resultsには研究の結果が記載されます。Methodsで記載された方法で行った研究、その結果が記載されています。今回の研究から得られた結果が、客観的に記載されています。
ヘルシー
最後にConclusionです!
ここでは研究の結論が記載されます。具体的には「今回の研究で得られた結果を鑑みて、このようなことが主張できます!」という内容が記載されています。
アドホック
この抄録だけで「論文の主張」が理解できるようになっているのです。
ここでちょっとだけ深掘りします。
論文著者が読者に伝えたいことは、多くの場合、Conclusionの最初のセンテンスに記載されています。
アドホック
先ほどの例として出した論文のConclusionだけ取り出してみましょう!
CONCLUSIONS
The presence of anti-spike or anti-nucleocapsid IgG antibodies was associated with a substantially reduced risk of SARS-CoV-2 reinfection in the ensuing 6 months.
抗スパイク抗体または抗ヌクレオカプシドIgG抗体の存在は、SARS-CoV-2(重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2)再感染のリスクを、6ヶ月間に渡って実質的に低下させた」になります。
ヘルシー
本当ですね!「新型コロナウイルス感染症に対して抗体があると、半年は再感染リスクが減る」というのが論文の主張が「たった一文」でわかりました。
極論として、Conclusionだけでも、論文のイイタイコトは理解することができます!
Conclusionに論文著者の主張、そのエッセンスが凝集されています!
論文を執筆した方はわかると思うのですが、
論文を書ける状態というのは、手元にたくさんの実験データがあったり、過去の同様の検証データの参考文献などをたくさん抱えている状態です。
つまり書きたいことは「山のように」あるのです。
ただ抄録には字数制限があります。たくさん言いたいことはあるけど、その中で最重要なコトを選び出すのです。
ですので、限られた字数で、いかに正確かつ適切に論文の主張を届けられるか、その悪戦苦闘した集大成が抄録になるのです。
抄録は単語一字一句に細心の注意を払って執筆します。
そのような執筆者側の背景を知っていると、抄録だけで有益な情報を得ることができる、理由がご理解いただけると思います!

おわりに

アドホック
お疲れ様でした!
今回は「情報リテラシー」と「論文の抄録」について簡単にお話しました。
特に抄録に関して、実際に論文を読むようにならないとイメージがつかないかもしれません。
ここでは、論文の最初ページを翻訳すれば、小難しそうな論文も大意は簡単に確認できることを知っておいていただければ幸いです。
ヘルシー
インターネットの自動翻訳機能を使えば、多少の誤訳があるかもしませんが、大まかな意味が確認できますね!
【アドホック便】では多くの論文を紹介していこうと思います。
その際、抄録を中心にご説明することになりますので、そちらも参考にしてください!
アドホック
最後までお読みいただきありがとうございました!
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