【To the Moon Addiction Disorder】ボラティリティの高い銘柄に熱中してしまう方への処方箋【ドーパミン神経】

アドホック
こんにちは!アドホックです。
ヘルシー
アシスタントのヘルシーです!前回に引き続き「To the Moon」の話題ですね。

まずは前回の簡単な復習です。

「To the Moon」は「急騰期待銘柄への投資」と定義しました。

そしてそのような急騰銘柄への投資は習慣化しやすい特性があること、ひいては様々な症状を起こすことがあり「To the Moon Syndrome (TMS)」と私が勝手に命名しました。

急騰銘柄への投資を繰り返し、その投資行為に過度な快楽や興奮を経験した状態にあり、急騰銘柄の報告に過度に焦ったり、その投資なしには充足感を得ることができなくなった状態のこと。またボラティリティの低い銘柄への投資に躊躇するようになり、元の投資スタイルに対して興味や関心が薄れてしまった状態のこと。
前回の記事をお読みになっていらっしゃらない方は、先に閲覧していただくことを推奨します。
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今回は「TMS」がさらに深刻になった「To the Moon Addiction Disorder (TMAD)」について紹介します。
「Addiction Disorder」は「依存症」という意味ですので、日本語では「To the Moon 依存症」にあります。
例えばネット依存症は「Internet Addiction Disorder」になります。
「TMAD」も私が作った造語ですので、調べても出てきませんのでご注意ください。
でははじめましょう!

依存症とは?

「To the Moon Addiction Disorder (TMAD)」は、前回ご紹介した「To the Moon Syndrome」よりも、症状が進行したものを想定しています。

まずは「依存」という言葉の意味を理解するために、下記の厚労省ホームページの記載をお読みください。

Q.依存症ってなに?

A.特定の何かに心を奪われ、「やめたくても、やめられない」状態になることです。

Q.依存症って何が問題なの?

A.依存対象のことを大事にしすぎることで、自分や家族の生活に不都合が生じます。

Q.どうしてやめられないの?

A.コントロール障害(自分の意思でやめられない病気)になってしまっているからです。

引用:厚生労働省ホームページ 依存症についてもっと知りたい方へ

ヘルシー
アルコールやギャンブルなど、依存症はしばしば社会問題になりますよね。
アドホック
そうですね。アルコールなら節度ある量、ギャンブルも趣味の範囲などなら許容できると思います。ただ一定のラインを超えてしまうとさまざまな弊害が生じてしまいます。
急騰銘柄への投資に関しても、リスク許容範囲内であれば、全く問題ないと思います。
でも「やめたくても、やめられない」状態になってしまうと大問題だと思います。
特に株式投資の場合にはお金という数値化された情報が報酬になりますので、可視化されている分、のめり込むリスクが高いです。
「報酬を何度も得たい」という欲求に加え、「過去の損失を短期間で取り戻したい!」という気持ちまで加わると、いよいよ抜け出せなくなってしまうと思います。
では「To the Moon Addiction Disorder (TMAD)」について深掘りしましょう!

To the Moon Addiction Disorder (TMAD)の診断

では「To the Moon Addiction Disorder (TMAD)」のチェックリストをご紹介します。

アドホック
「ギャンブル依存症」の診断基準を参考に作成しました。
ヘルシー
ぜひチェックしてみてください!

5項目以上該当した方は「To the Moon Addiction Disorder (TMAD)」!?

①興奮を得るために、金額を増やして急騰銘柄に投資したいという欲求を持つ。

②急騰銘柄を売却したり、ポートフォリオの比率を下げたりすると、落ち着かなくなる。またはいらだつ。

③急騰銘柄への投資を制限する、減らす、または中止したりするなどの努力を繰り返したが、成功しなかったことがある。

④急騰銘柄投資に心を奪われることが多い。(例:次の急騰銘柄への投資計画を立てること、急騰銘柄投資への元手を得る方法を考えることを絶えず考えている)

⑤苦痛の気分(例:無気力、罪悪感、不安、抑うつ)のときに、急騰銘柄投資をすることが多い。

⑥急騰銘柄への投資で損失を出した後、別の日にそれを取り戻しに帰ってくることが多い(失った金を”深追いする”)。

⑦急騰銘柄投資へののめり込みを隠すために、嘘をつく。

⑧急騰銘柄への投資のために、重要な人間関係、仕事、教育、または職業上の機会を危険にさらし、または失ったことがある。

⑨急騰銘柄への投資によって経済的にどうしようもなくなり、他人に金を出してくれるよう頼む。

当てはまる項目はありましたか?
もしくは何項目該当しましたか?
レイジー
ほとんど当てはまっちゃたよ!
でも「To the Moon」はやめられなよー!
ヘルシー
やはりそうでしたか…
心配が的中してしまいました…
アドホック
早速対策法をお伝えしたいのですが、その前にもう少しだけお付き合いください。
ではなぜ依存症になってしまうのか?
少し深掘りしてみましょう!

依存症の原因は「報酬系」

前回は「オペラント条件付け」による「正の強化」についてお話しました。

簡単に説明すると、特定の行動を行って何らかの報酬が得られると、その行動を再び実行し、次第に習慣化していくという一連の過程のことになります。

ヘルシー
ネズミさんの実験で確認しましたね!
これが「To the Moon」でも踏襲されていると考えています。
このような「オペラント条件付け」が成立する要因として、ここでは脳の働きに注目してみましょう!
ではまずは簡単な脳の構造を確認しましょう!
アドホック

レイジーさん、ちょっと失礼しますね!

レイジー
ん?え!うわー!
やめてくれー!
まずは「前頭葉」「側頭葉」「中脳(脳幹の一部)」の場所を確認しましょう!
今回は「前頭葉にある前頭前野」「側頭葉にある扁桃体」「中脳にある腹側被蓋野」という場所がキーワードになります。
上の概略図を確認した上で、今度は下の図をご覧ください。
前頭葉にある前頭前野」「側頭葉にある扁桃体」「中脳にある腹側被蓋野」の場所をそれぞれ確認できましたか?
さらに下の図で神経経路も重ねて見てみましょう!
特にドーパミン経路を確認してください!

上の図の緑線が「ドーパミン神経経路」になります。

この経路は腹側被蓋野から扁桃核にかけて形成されていて、「報酬系」に関わる神経回路になります。

報酬系を担っている神経伝達物質は名前の通り「ドーパミン」です。

ドーパミンにより腹側被蓋野から扁桃核の報酬系神経経路が刺激されると、最終的に前頭前野に信号が投射されています。

ヘルシー
「オペラント条件付け」の「正の強化」による習慣化が生じるのは、脳の中にこのような報酬系神経回路が備わっているからなのですね!
アドホック
そうですね!本来この報酬系は美味しいものを食べたり、人に感謝されたりして刺激されますので、満足感を得る上でとても大切なシステムになります。
ヘルシー
ただ満足感を得たいという欲求から、簡単にドーパミンを得る行為、ここではギャンブル的な株式投資などを行っても、この神経経路は刺激されますね。
アドホック
その通り!その他にもアルコールやインターネットなどもこの経路を刺激します。
そしてこれらの行為で、事実上、報酬系神経経路の乗っ取られることで「依存症」が成立すると考えられています。
繰り返しになりますが、報酬系神経経路である「ドーパミン神経経路」はとても大切な脳の機能です。
意欲的に仕事や勉強に打ち込み時などにも、ぜひ上手に活用したい体に備わったシステムです。
皆さんこの神経経路を持っているということで、裏を返すと、誰もが何らかの依存症になる可能性を有しているとも考えられます。
ヘルシー
「To the Moon」が習慣化する背景から、最終的に依存症まで関連してくる理由がわかりました!
アドホック
では最後に「TMS」や「TMAD」に対する対処法をご提示しようと思います!

「TMS」および「TMAD」への「処方箋」

まず最初に重要なことをお伝えします。

ボラティリティの高い銘柄で「明確にルールを決めて短期投資をされている方」には、以下の内容な不要になると思います。

急騰銘柄への投資を初めて、辞めたいと思っても辞められずにいる方に、ぜひお役立ていただければと思います。

処方箋①「TMSやTMADの病態を理解する」

まずは「このブログを読むこと」!

これが最初の治療方法です!

ヘルシー
えー!?
まさかここでブログの宣伝ですか!?
アドホック
いえいえ…少しだけ続けさせてください。

知らぬ間に習慣化や依存症に陥いる可能性があることを、これを理解してもらうことが最も効果的です。

どうして辞めることができなくなるのか?

どうして依存症は形成されるのか?

その心理学的事実や医学的事実を認識することで十分に効果があると考えられます。

アドホック
例えば「アルコール依存症」では「酒害教育」と言って、アルコールの有害性や依存症という病気について学ぶことも、立派な治療方法と考えられています
ヘルシー
なるほど!そういった理由なのですね!
確かに事実を学ぶことで冷静に自分のことを考えることができますよね!

処方箋②「認知行動療法的アプローチ」

次は認知行動療法的アプローチです。

先程の処方箋①と類似した内容になります。

まず思考や行動のパターンを見直し修正する「認知行動療法」というものがあります。

「認知」とは考え方で、それと行動を同時に見直す治療法のことです。

まずは株式投資に対する認知(見方や考え方、価値観)を投資家さん自身で検討し、その認知を変えていくことで、これからの行動や生活を改善するよう目指します。

アドホック
例えば「基本の投資スタンスはインデックス投資で、長期で複利効果を使用して資産形成をする」「信頼できる個別株だけに集中投資する」など、投資家それぞれの考え方をまず再度検討してもらいます。

次にTMSやTMADでお困りの投資家さんに、自身の「認知のかたより」を自覚してもらいます。

ヘルシー
もとの投資スタンスを再認識すること、そしてこのブログで習慣化や依存症の概要を背景を理解してもらうことで「認知のかたより」が鮮明になりますね!
具体的にはもともとインデックス投資家だった方が、現在は急騰銘柄の短期売買を正当化するようでしたら、もとの株式投資に対する認知にかたよりが生じていることになりますね!

そして「認知のかたより」を自覚していただき、「急騰銘柄の短期投資を辞める」ことの意欲を向上させます。

このように心構えが作られたら、再発方法を考え、具体的な方法を実践していくことになります。

ヘルシー
「認知」して「行動」に繋げるということですね!

処方箋③「みんなに相談する」「SNSで打ち明ける」

ここからは具体的な方法ですね。

まずは周囲に相談して、悩みを共有してもらうことが有効です。

相談をすることで自分の抱えている問題を改めて客観視することができます。

さらには周囲に再発しないことを宣言することで、抑止力を得ることもできるので、非常にオススメです!

レイジー
残念ながら相談できる人がいないの…
レイジーさんのように身近に相談できる人がいない方も多いのではないでしょうか?
なかなか株式投資を実践している人はいないかもしれませんし、中には家族にも詳細を話せていない方もいるのではないでしょうか?
そう言った場合には、思い切ってSNSで打ち明けてみるのもいいと思います。
今回は急騰銘柄への投資を辞めたいと考えている前提ですから、所謂「爆損報告」とともに今後は同様の短期投資をしないことをコミットしてしまうのです。
きっと共感してくれる人が現れてくれると思います。
また例え誰からも反応が得られなくても、人の目につく可能性があるところにご自身の決意を残すだけでも、効果があると考えられます!
ヘルシー
アルコール依存症では「断酒会」という同様の悩みを持つ方々の集まりが、治療や再発予防に有効とされています。SNSでご自身の急騰銘柄投資の結果、特に損失報告をしてみると、同様の体験をされた方々が集まってくるかもしれません。さながら「断酒会」のように、ともに決意をともにする仲間が見つかるかもしれません!

処方箋④「デジタルデトックス」

処方箋③と矛盾してしまうのですが、報酬系神経回路が形成されてまだ依存状態が続いている状況においては、他人の「爆益報告」だけでもスイッチが入ってしまう可能性があります。

するとまた報酬系の暴走が始まってしまいます。

TwitterなどのSNSにはポジティブな情報も多く投稿されますので、認知行動療法的アプローチを開始して間もない頃は、思い切って「SNSを見ない」ことはオススメです。

その間は過去の名著などを読み返して、ゆっくり時間を過ごしてみましょう!

ヘルシー
SNSやニュースは過度にポジティブまたはネガティブな情報が発信される傾向にあります。特にネガティブな情報に興味が惹かれるのが人間の性です。自分自身の「認知のかたより」を自覚して間もない頃は、行動変容もしっかり完成していない時期ですので、出来るだけ様々な誘惑は断ち切ってしまいましょう!

処方箋⑤「マインドフルネス」

「マインドフルネス」とは「心を今に向けた状態を」のことをといいます。

絶えず過去や未来のことを考えて「心ここにあらず」の状態が多くの時間を占めています。

株式投資に当てはめれば、過去の「To the Moon」での大きな利益や損失、明日以降の投資対象の選定や期待収益の皮算用など、常に不安やストレスにさらされてしまうものです。

こうした心ここにあらずの状態から抜けだすことが「マインドフルネス」です。

アドホック
代表的な「マインドフルネス」の手段として「瞑想」があります。
そんなに難しく考えずに「目を瞑ってゆっくり深呼吸を繰り返す」だけでも次第に雑念が消えてくるので効果的です!
ヘルシー
先生は通勤中に瞑想していますよね!
その他にオススメはありますか?
アドホック

個人的には「筋肉トレーニング」がとても効果的だと思っています。
ベンチプレスやダンベルなどを集中して持ち上げると、あっという間に目の前のことに没頭できますよ!

ヘルシー
確かに筋トレ好きな投資家さんは多いですよね!
資産額の増減があるので投資にはストレスが一定のかかりますが常に発生しますが、それに耐えるのに筋トレが有効なのでしょうね!
皆さんもご自身の没頭できることを持ち合わせておくことをオススメします!

おわりに

アドホック
お疲れさまでした。
ヘルシー
前回に引き続き怖いテーマでしたが、しっかり理解できてよかったです!
アドホック
投資で成功する秘訣は「相場を張り続けること」と著名な投資家さんは口を揃えて指摘してくれますよね!その為にも無理な投資(リスク許容度を超えた投資)を避けることが大切ですね!
ヘルシー
リスクの高い投資にはそれだけの魅力がありますので、習慣化や依存性があることを認知しておきましょう!
レイジー
「To the Moon♪♪♪」
でもこのまま調子乗ってはいけないと自覚したよ…
ちゃんと辞めるから…あと少しだけ続けさせて…
ヘルシー
「To the Moon」を狙ってはいけないとは言ってないですからね。
挑戦するならちゃんとルールを決めておいて下さいね!
でもレイジーさんは依存症の診断チェックリストを満たしてしまっているので、あと一回で終わりにしましょうね!
レイジー
分かりました…
いかがでしたか?
短期で利益を得たいと思う気持ちは非常に共感できますし、私自身も実際にそのようなチャンスに挑戦することもあります。
ただ繰り返しになりますが、そのような投資には習慣化や中毒性があることを忘れないようにしましょう!
そして「相場から退場しないこと」が成功の秘訣であることも再認識しましょう!
激しい売買に熱中気味になってしまったら、ぜひ今回の記事を読み返してみてください。
リスク管理に留意しつつ、楽しく相場を楽しみましょう!
アドホック
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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